2004年3月5日


お昼に、けんじくんからの電話で起こされる。
わたしがもうすぐナガノを去らねばならないという現実。
嫌だ嫌だと言っていても、仕方のない現実。
けんじくんはわたしを本気で引き止めることはしないし、
わたしにも、全てを捨てるような勇気も度胸もない。
それこそドラマチックに、引き止められて奪われて、
この現実を変えて欲しい気持ちはあるけれど、
そんなことにはならない現実。

今日のけんじくんの仕事場は麻績。
けんじくんのお母さんの故郷。
けんじくんの故郷。
『オバステの夜景が観たい』
そう言ったわたしに、
『いつでも連れてってやるよ』
と、けんじくん。
少しでも一緒にいたい。
声を聞いていたら、泣けてきてしまった。
最後に会う、その日のことを想像して。
彼を見送る、わたしの姿を想像して。

温泉を明日に控えて、
けんじくんは明日のために残業しなければならない。
申し訳ない。
わたしは仕事へ。
今日は給料日。
9時、めずらしく仕事中のわたしに電話をかけてきた。
残業の後、社長らと少し飲んだらしく、ほろ酔いで。
『お前に言いたいことがある』
『なに?』
『帰るなよ』
固まった。
『・・・もっと早く言ってよ』
なんて答えていいかわからず、それしか出て来なかった。
『ですよねー』
と、彼。
『早く迎えに来て(笑)』
と、茶化せば
『早く帰ってくれ(笑)』
なんて。
好き。
『それだけ言いたかったんだ』
と、電話を切った。

変えることのできない現実。
それでも、最後の日までは笑っていよう。
明日は温泉。
すっごく楽しみだ。






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