2004年5月16日


日付が変わりかけ、わたしは既に布団の中にいた。
働き始めてから、この夜型のわたしが、0時を回ると焦って寝ようとするのには驚く。
大人になるってことは、自分を抑えるってこと。
眠りに堕ちるまさにその瞬間、携帯が鳴った。
登録されていない番号。
ワンギリでもないようで、思わず出てしまった。
電話の相手はわたしの名前を確かめた。
『そうですけど・・・』
すると相手はこう言った。
『憶えてないかな。
鶯谷で会って、駅前の喫茶店でちょっと話したんだよ。
その時電話番号聞いてさ。
・・・憶えてないか。
2年位前の話だと思うから』
睡魔に支配されぼやけた頭で彼の言うことを理解しようとするが、全然理解できない。
ちょっと、関東にお住まいの方、教えてください。
鶯谷にはなにがあるんですか?
正直鶯谷には用なんてないし、行った憶えもなかった。
それ以前に、地方人のわたしが東京に行くのですら年に何回あるかタカが知れたものだ。
珍しいことがあったなら、忘れるはずはないのに。
なに? このひとは誰? 本当に会ったことのあるひと?
だんだんと頭は現実に戻ってきたのに、記憶は鶯谷に反応しなかった。
電話の向こうの彼曰く、
1〜2年ほど前、わたしはひとりで鶯谷にいた。
そこでこの電話の相手に声をかけられ(つまりはナンパ)、喫茶店に行った。
その時、喫茶店のナプキンか何かにわたしは自分の電話番号を書いて渡した、らしい。
わたしはこのひとに会ったことがある。
思い当たることのない現実が不安を生む。
わたしの人生はまだまだ短いのに、こんなにすっかり忘れてしまうことがあるなんて、
正直怖かった。
このまま大事なことも忘れてしまうんじゃないかって、怖かった。

今日仕事の後で、お見合い相手に会った。
お互い、プラス友達だ。
お見合い相手の友人は話しやすいひとで、わたしはやたらに彼に会話を振り、
お見合い相手は例のごとくあまり話さず、
わたしの友はお見合い相手に気を遣って話しかける、
という、微妙なキャッチボールをやった。
驚いたのが、連れて行ったわたしの友=同期の平沢さんが、同じ高校卒だったことだ。
平沢さんは大卒なので、わたしの2個上だ。
つまり、優也や高橋先輩と同じ学年だった、ということになる。
優也の名前を出したら分かったようだった。
世間は狭い。
ちなみにお見合い相手は、外野がいたためか肝心のお土産を渡してはくれず、
家に帰ったら次のお誘いメールが届いた。
いい加減はっきり言わなくちゃいけないね。

昨日のお昼以来、けんじとコンタクトを取っていない。

明日は休みだ。
会社用のシャツを買いに行こう。



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