2004年8月27日


わたしの本当にやりたかった仕事を、夢を、けんじは知っている。
話したのはおそらく半年も前。
それからわたしは夢とは違う職に就いて、
やりたいこととはどんどん遠ざかって、
ちゃんと自分の将来のことを考える余裕がなくなっていた。
日に日に仕事が会社が嫌になってきて、
それに比例するように、やっと、自分のやりたかったことに対する欲求が戻ってきた。

そうだ、仕事を辞めよう。

その決意をけんじに話したら、やっぱり彼は応援してくれて、
『俺は一生、お前の味方だから』
その言葉が心強くて。
『そいや今日お前に超似てる奴見たよ』
『ぇ、どこで?』
『セブンで。しかもワカツキのセブンだったからさ、マジでお前かと思った』
『思わず声かけちゃった?(笑)』
『ぃや、似てたのは後姿だけだったんだけど、身長とか体型とかそっくりでさ。立ち方まで一緒なの』
『えー? わたしそんな特徴的な立ち方してる??』
けんじは本当に細かいところまで憶えている人で、
例えば、そう、わたしがナガノで暮らしていた頃、
あの部屋の洗面台の前に立つと、何故かわたしの左足の親指が浮く。
そんな細かい、自分自身も無意識にやっていたことまでも、けんじは憶えていてびっくりする。
『それだけお前のこと見てたってことだよ』
一緒にいた頃はそんな素振りを見せなかっただけに、
離れてみてどんどんどんどん、思い出と共にリアルに甦る。
喪失感とは違う。
淋しさとは違う。
温かい気持ち。









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