2005年1月10日


そういえば。
そういえば、けんじの声を聞いていない。
携帯の履歴を見ると、最後に話したのは５日。
たかが５日。
されど５日。
たった５日。
もう５日。
本当は、けんじのこと忘れたことなんてない。
目の前にいるのは島田くんで、
島田くんのことしか見えていないような顔をしているのに。
ひどい女。

雪がすごい。
一気に積もった。
運転が怖い。
道のでこぼこに合わせて身体の芯まで揺れるので、
自分の運転で酔う。
会社になんて行きたくない。
毎朝、バイパスの中央分離帯に必ず１台、車がナナメに乗っかっている。
それを見るたびに思うのだ。
次はわたしだ。わたしだ。

最近、自分があんまりにも饒舌に商談をしちゃうものだから、
もしかしたらわたしって、営業向きなのかも、
なーんて愚かなことを考える。
島田くんに仕事の愚痴や相談ばっかりしていて、
そのうち嫌われるんじゃないかって不安だったり。
それで自分をセーブして控えるから、正直ストレス。
これが、家と会社をただただ往復するだけで過ぎていくわたしの毎日が、
生み出したジレンマだ。
そう、今のわたしには、会社しかない。

何か趣味を見つけようと思いついた。
何をしよう、何をしよう。
今、思いつく欲求を書き連ねると、
ダーツバーに行きたい。
ヨガ教室に通いたい。
資格を取りたい。
ただひた、すら文章を書いていたい。
お金を貯めたい。
やりたいことは盛りだくさん。
でもでも、時間がない。
さてはて、どうしよう。