2004年2月12日ii


最近、水曜日に来訪率の高かったけんじくんが、珍しく木曜の今日来た。
わたしのお腹を殴りに。
ってのは冗談だけど、
最近のけんじくんからの電話は開口一番、
『来た？』
生理が、の意。
彼は本当に不安に思っているらしくて、
最近のわたしは
『まいこちゃんの赤ちゃんはお元気？』
なんて台詞を吐いてしまいそうになるので困る。

けんじくんが予想外に早く来てしまったので、
急いでゴハンを作る。
麻婆豆腐とかぼちゃのサラダ。
シャワーの後、ゴハン。
辛いものが食べたくて、辛めに作った麻婆豆腐はけんじくんを汗だくに。
食後に、
『甘いもの食べますか？』
『今食ってるけど』
かぼちゃのサラダは甘め。
『ううん、チョコ』
『なに？　バレンタイン？』
『うん』
『え、俺に？』
『うん』
照れる。
チョコレートケーキが食べたくて（わたしが）
オーブンもないので炊飯器でケーキを焼いた。っていうより炊いた。
『あ、俺この味好きかも』
褒められて喜んだのに、
『去年もらったケーキと同じ味するんだけどどーして？』
知るか、んなもん。

お見送りの後、電話をするのはお決まりなのに、
ここ何回かけんじくんは電話しても一度目は出ない。
誰かと電話をしているらしい。
その後電話をくれる。
『あと何回会えるのかなぁ』
『そんなこと言うと悲しくなるからやめろ』
生理が遅れ気味だからか、最近のわたしは不安定だ。
『わたしのこと忘れない？』
『忘れっこねぇだろ』
『そう？』
『俺、今でも三重の子と付き合ってるんだぜ？』
・・・三重？　初耳。
沈黙なわたしに、
『あ、付き合ってるってのはそういう意味じゃなくて、連絡取り合ってるってことで』
『・・・』
『おい？　どした？』
『なんでわたしの話してるのに三重の女が出てくるのよ』
『え、だから別にその子とはカラダの関係とかないし、俺の嫌いなＢ型だし』
『そんなこと言ってるんじゃない』
『なんだよ』
『こんなときにそんな女の話が出てくるってことは、わたしもその女程度ってことじゃん』
『んなこと言ってねぇだろ』
『そういう風に聞こえるって言ってんのよ』
『ごめん』
けんじくんの好きなところは、すぐに謝罪の言葉が出てくるところだと思う。
その後は普通にいつも通りに、車の話やら仕事の話なんかをして。
『また明日な』
おやすみ、けんじくん。