俺の居場所

俺の居場所

 

「ウォォォォォォ!」

スキンヘッドの男が斧を持って俺に突っ込んでくる。

「ったく、真正面から突っ込んでくるかよ普通よぉ!!おらぁっ!!」

俺はスキンヘッドの斧をを避けて思いっきりスキンヘッドの顔面を殴りつけてやった

「ぬおぁぁぁぁぁ」

スキンヘッドは10m以上吹っ飛ぶ。映画さながらの吹っ飛び方、これだけは俺は感心し

てやった。審判が俺の腕を持ち上げ声高に叫ぶ

「勝者 騎馬杖!!賞金は彼の物だぁ〜!!」

『オオォォォォォォォォォォ』

観客から歓声が上がった。

俺の名前は騎馬杖、孤児院から飛び出し、まぁ・・・その自分の居場所ってやつを探しに

旅にでたのはいいんだが、いや〜金がなくなっちまって^^;まいったまいった。んで空

腹でガイア王国のシンを歩いていたらこの地下格闘場の賞金がかかった格闘のトーナメン

トがあるって聞いたもんだから賞金と暇つぶしに強い奴を求めて出場したのはいいが弱い

奴ばかりだ。決勝戦に出てきたさっきのスキンヘッドも弱すぎるしよぉ〜、まぁ金がもら

えたからよしとするか。さ〜て軽く酒場で食事すっかな。賞金も入ったことだし食うぞ〜

サンドイッチの山盛り〜♪

酒場に入り、ウェイトレスにサンドイッチとビールを注文する。

しばらくするとサンドイッチとビールが運ばれてくる。あぁこれこそささやかな喜び♪

「っしゃ〜食うぜ!!」

サンドイッチを食べながら次は何処の町に行こうか、なんてことを考えていると

バリン!!

ビンでも割れたのだろうか?そのあと男の罵声が飛んだ

「おい!!てめぇ俺にビールぶっかけやがって!!どうしてくれるんだ!!」

その男はさっき俺に負けたスキンヘッドの男だ。怒鳴られているのは俺の注文を取ったウ

ェイトレス・・・。

ウェイトレスのこぼしたビールがスキンヘッドにかかったらしい。俺は静かに近くにあっ

た灰皿をとり、スキンヘッドの頭に目がけて投げる。そして食事に戻る。すると後ろで灰

皿がスキンヘッドの頭に当たる音がして男がぶっ倒れる音がする。ったく、こっちが食事

してる時にうるせぇつうの。

「おい!そこのツンツン頭!!そこのサンドイッチをほうばってるテメェだよ!!」

俺が後ろを向くとスキンヘッドとその仲間っぽい奴がこっちを睨んでいる

「なんか用か?」

俺が聞くとスキンヘッドの仲間の一人が机を蹴飛ばし叫ぶ

「ヘスさんに灰皿当てたのお前だろ!!」

「ああ、そうだ。だってうるさいんだもんよ〜。それに、裾に少しかかっただけだろ?別

に怒鳴ることじゃねえと思うけどな。」

 

もう一人の男が出てきて

「んだとぉ〜喧嘩売ってんのか!!おめぇよぉ〜」

スキンヘッドが、ヘスと呼ばれた男は頭をさすりながら言う

「お前みたいな若造は家帰ってミルクでも飲んでろ!!」

ここでカッコいい男はさらりと流すんだろうが俺はそんな完璧にできてない

「俺に負けたハゲじじいがうだうだうるせえよ!!」

ヘスも負けじと

「うるせぇ〜俺は本気なんか出してネエよ!!お前にはもったいねえからな!!」

一触即発の所で一人の戦士風の女が割り込んできた。

「そこまでにしときなよ。周りが迷惑するでしょ!!あんた達子供じゃないでしょう

に!!」

女の説得を無視して俺とヘスは口論を再会する。

「人の話を聞きなさい!!」

女は俺とスキンヘッドの男の首筋に手刀を振り下ろし、俺は意識を失った・・・。

薄くなっていく意識の中で聞こえたのは、ヘスの仲間の慌てた声と割り込んできた女の『こ

れで静かになるでしょ』という声だった。

 

 

 

俺は目を覚ました。知らない一室にいる。ったくあの女手加減無しに手刀うちこんだ首が

痛いぜ。そこにドアをあけて誰か入ってくる。さっきへスに怒鳴られてたウェイトレスだ。

「あっ♪起きられたんですね!ヘスさんの怒鳴られた時助けていただいてありがとうござ

います。えっと私はエニスといいます。」

「ココは?」

「あなたの気絶した酒場の二階の個室です」

「じゃあ、そのヘスっておっさんは何処行ったんだ?お前にちゃんと謝っていったか?」

「ヘスさんは一足先に目を覚ましてまた下で飲んでいます。ええ、あの人は本当はいい人

なんです。ただイライラしていて思わず怒鳴ってしまったんだと思います・・・。」

俺はしっくりこないため頭をかきながら言った

「イライラねぇ〜そんなに俺に負けたことが悔しいかねぇ〜」

「ちがいます!!」

エニスが叫ぶもんだからビックリしちまった^^;

「違うんです。ヘスさんは私たちの町を守ろうとしてくれてるんです!!」

「それはどういうことだ?」

「この町の近くにはまだ発掘されていない宝やオーパーツと呼ばれる過去の文明の遺産が

たくさん残ってるんです。そこでガイア王国はこの町を潰して、発掘専用の基地にしよう

としているのです。しかし私たちは生まれてから今までずっとここで生きてきました。そ

んなこと認めるわけにはいきませんでした。それを予想していたように政府は代わりにと

ても払えないような額をこの町に請求してそれが払えないなら軍を出してでも強制的に基

地にするって・・・・・だからヘスさんはあなたの優勝した大会やいろいろな仕事をして

お金を集めていたんです。この町の人たちはみんなそうなんです。そんな皆さんの唯一安

らげる場所がこの酒場だったんです・・・・・・・。」

「っ!どこの政府のやることも同じか・・・・・。でヘスは一階にいるんだな。俺も飲み

なおしてくるぜ。」

階段を下り、酒場に入るとヘスがいた。俺を見つけたらしくヘスは声をかけてきた

「若いの〜まぁこっちに来て座れや。」

俺がヘスの前の席に座るとヘスは俺の後に下りて来たエニスに注文を出す

「お〜いエニスちゃん、ビール二つ追加〜!」

そしてすぐにエニスがビールを二つ持ってくる

「はい、どうぞ♪」

俺の前にビールを一個置き

「さっきは悪かったなぁ〜ちょっとカッとなっちまってよ。まぁこれ飲んで忘れてくれや。」

と言った。それなら俺も

「つまみ適当に頼む〜」

と注文しチーズなどが運ばれてくる。そして俺は賞金をヘスに投げる

「こっちも悪かったな、お前がいらだっていた理由も考えないで・・・・。これ、使ってくれ」

ヘスは一気にビールを飲む

「聞いたのか・・・この村の置かれている状況を・・・・。俺はなぁ〜この町が好きなん

だよ。この町はな財宝目的の奴らが集まって、そいつらが利用する宿ができて、遺跡で怪

我する奴がいるから病院ができて酒飲むために酒場ができて定住する奴が出てきて・・・

そんな風に大きくなってきた町なんだ。よそ者が多い分、この町に住んでる者たちの関係

は暖かい・・・・もちろんよそもんに対してもだ・・・・。それを政府の野朗、全部奪い

取るってんだから。本当はこの金、投げ返してぇとこだが約束の日まで少ないからな、あ

りがたく貰っとくぜ。おっと自己紹介がまだだったな、ヘスだヨロシクな」

ヘスが出してきた手を握り返し俺も自己紹介をする

「俺は騎馬 杖だ。ある目的で旅をしているんだ。」

ヘスと俺は案外気が合うらしくその後遅くまで飲みまくっていた。

 

 

 

「うい〜飲みすぎたぜ・・・・・ん?」

ヘスが人気のない道を歩いていると目の前に銀髪の男が立つ。

「なんだおめぇ〜?こんな夜中によ・・・・ぐお!」

何の前触れもなく銀髪の男がナイフを取り出しヘスの胸に突き立てる。ヘスが倒れるのを

確認すると男は口を開く

「あなたがいるとこの町の人々はまとまって本当にお金集めちゃうんですよ。だから消え

てもらいました・・・・」

 

 

 

俺が宿から二日酔いで頭を押さえながら町を歩いていると人だかりができている。

そこを見ると俺の二日酔いは一気に覚め、逆に怒りがこみ上げてきた

そう、その人だかりの原因は『一生動かないヘスの体』・・・・・・。

「くそっ!!誰だ。ヘスを殺ったのは!!」

すると10人ほどの兵士を連れた小太りの男が歩いてきた

「これは、これはシンの皆さん。どうしましたか?誰か死んだのですか?そろそろお金の

準備はできましたかな。」

そこにいたシンの人々は何も言わずに睨みつける

「まぁいいでしょう。集められなければ町を潰すだけですから。」

『え!!潰されるの?この町!!』

いきなりの大声にその場にいた全員が声のしたほうにいく。そこにはバンダナをかけた男

が立っている。

小太りの男はそのバンダナ男を指差し驚きながら言う

「あ、あんたは大野 財!!予定変更よ!大野財閥にこの町をとられる前にさっさと潰す!!」

そして兵士と走り出す。

「えっ!!親父とは関係ないんだけど!!お〜い!!ったく誰だよ〜この町が潰れるのを

早めたのはぁ〜?」

『お前だよ!!』

その場にいた全員で凹した。もちろん俺も

「財さん、何やってるんですか?その無神経さ直した方がいいといったでしょう?」

ボロボロになったバンダナ男、大野 財を立ち上がらせた魔術師の男が言う

財は服をポンポンと叩き

「ンなこといったって、性格なんてそう簡単に直せるもんじゃないぜ〜ルイス」

魔術師の男、ルイスは財と一緒に自分も睨まれていることに気づき財を小突く

「ねぇ!どうするんですか!あなたが大声出して気づかれちゃうからガイア王国軍部がこ

こを潰しに来ちゃうんでしょう?」

「ん〜とりあえずここを潰そうとする軍隊を返り討ちにするしかないんじゃない」

その言葉を聞いてみんな凍りつく。そして大声を上げる

「誰が返り討ちするんだよ〜!!」

「ダメだ〜俺たちは死ぬんだぁ〜!!」

んな話を聞いて俺は思わず叫んだ。

「でも俺たちが戦わないとこの町は潰されちまうんだぞ!!金しか考えねぇ政府と軍

に!!俺は戦うぜ!!たぶんへスを殺したのも軍の野朗だろうしな!!」

ルイスは前に進み出て

「僕達も戦いましょう。」

財は驚いた顔して

「俺も!?」

「当たり前でしょう!!あ・な・たの責任もあるんですよ!」

「それじゃ私達も参加ね♪」

俺が後ろを向くと俺を酒場で気絶させた女がいた。後ろに子供と無表情な女も連れている

「あー!お前はあの時の!!」

俺が指差すとサラッと

「あら?あの事は忘れて♪あぁそうそう私はフィリス、で後ろの子供はジル、女の方は雌

型アンドロイド『鈴香』よ。私達も結構この町気に入ってるのよ。守るの手伝うわ。」

 

 

その場所で抵抗するのに協力すると言ったのは俺と財、ルイスにフィリスそれから鈴香と

ヘスの仲間数人・・・・。

「とりあえず、ルイスくんの幻術の魔法で惑わして各個撃破がいいと思うけどそうなると

一人頭20人・・・・いや最低でも30人も相手をしなきゃなんなくなるわね・・・・。」

ここはシンの酒場・・・・。とりあえず作戦を練ろうと思ったのだがなにぶん人数が足りない。

ルイスが頭を抱える

「やはり人数の差が問題ですね・・・・いくら僕らが強くても量にものをいわされたら捌

ききれません。」

う〜ん、確かに俺も10人程度なら大丈夫だが30人ともなるとなぁ〜っとそんなことを考

えていると酒場のドアが一気に開かれる

「俺たちも戦うぜ!!」

そこにいたのはフリーのトレジャーハンターや町の住民たちだった。

「軍だけにお宝をくれてやるかよ!!」

「私たちの町は私たちで守る!!そうだろみんな!!」

すると「オォォォォォォ!!」と歓声が上がる。

鈴香が微笑み

「これで少しは作戦が立てやすくなりましたね。」

しかしすこし明るくなったのが見張りに出していたヘスの部下の一言で一気に壊れた

「ガイア軍が来たぞ〜」

俺は叫ぶ

「っしゃ〜暴れまくってやるぜ!!」

ルイスはハァとため息をつき

「作戦を立てる前に来ちゃいましたね」

財はあくびをしながら

「まあ、この町は破壊させないさ」

軍の経験のあるフィリスはハンターや住民たちに的確な指示を出す

「まず武器屋の物全部持ってきて!!ルイスくんはすぐに町の周りに幻影を張って!対空

装備を持った人は鈴香と一緒に屋根に上がって戦闘ヘリに対処!大型兵器を持った人は私

と援護射撃と敵大型兵器排除。長距離武器を持った人たちは財クンと一緒に攻撃。杖は接

近用武器を持ってる人たち一緒に敵と直接交戦してもらうわ!いいわね、絶対この町を守

るわよ!!」

『オォォォォォォォォォ!!』この町は一体となった。

俺はここで死ぬかもしれないのに恐くなかった。それどころかこの町の人々や財、ルイス、

フィリスに会えて、そして勇気を与えてくれたことが嬉しかった。俺は言った

「ぜってぇ〜俺はこの町を守る!!このシンが俺の居場所だ!!」

そして戦いが始まった・・・・・・。

 

 

 

 

 

「ラスト!!オラァ!!」

俺はガイア軍の一人を殴りつけて倒す。ガイア軍は撤退していく。これで二度目の撤退・・・・。

つまり二度は軍を追い返したわけだが、死者は出ていないが負傷者が多数、とても次のガ

イア軍の攻撃は耐えられそうもない。それでもよく耐えたものだ。ガイア軍はプロこちら

はほとんどが素人・・・・。まぁ論外で異常な奴もいる。まずは財、あいつは魔法を弾に

込めて発射して普通に戦車を吹っ飛ばすし、ルイスは古代魔法から超巨大魔法まで普通に

撃ちまくってるし、フィリスは戦闘用アンドロイドや装甲服を普通に斬りつけてるし、一

番すごい・・・・いや、恐かったのは鈴香というアンドロイドだ。なんだよあのどでかい

先っぽに蟹のハサミみたいなのが付いた武器は!!一気に人もアンドロイドも戦車や戦闘

ヘリも一気に吹き飛ばす。これには俺も一歩引いたぜ^^;敵じゃなくてよかったって正

直思ったな・・・。

フィリスが俺を呼ぶ

「さて、いったん酒場に戻って次に追い返す手を考えるわよ!!」

「おう!!今度も追い返してやるぜ!!」

俺たちが酒場に戻ろうとすると一人の見張りが走ってくる。

「また軍が接近!!」

フィリスが叫ぶ

「ちょっと〜さっき追い返してから少しもたってないわよ!!」

「うっしゃ〜足止めしてくるぜ!!」

俺が走り出そうとすると鈴香が前に出て止める

「あれはガイア軍の軍服ではありませんね。記憶層にリンクして調べますのでお待ち

を・・・・・・・、検索完了・・・あれは大野財閥私設軍隊の軍服です」

いっせいに俺たちは財を見る。

「え〜と俺は呼んでないぞ・・・・・まぁいいや・・・・。とりあえず話してくるさ。」

「あの〜私設軍の代表としてもう来てるんですけど・・・・」

「うお!!ビックリしたぁ〜、お前がなんで私設軍にいるんだ聖?お前がいるとしたらガイア軍だろうが」

聖と呼ばれた男が財の後ろにいつの間にか立っている。ガイア軍と聞いて俺は身構える

「いえ、父とこの町について意見が分かれましてね、『今』は財閥私設第一部隊の隊長をや

ることになったんです。財さんのお父さんがガイア王国首都で革命を起こしました。それ

が終わるまでこの町を持たせろと命令されましてね。つまりは援軍と言うことでして。え

〜と皆様には自己紹介をしてませんでしたね。私はこの国の王の息子の聖です。さっき言

った通り父と意見が合わず財さんの父親に頼んで隊長として来ました。よろしく。」

俺は何の疑いもなく答える

「おう、よろしくな!!」

しかし住民は当然ながら納得しない

「そんな話信用できるか!!どうせ裏切るんだろ!!」

「それについては俺が保障する、聖は言ったことは曲げない。裏切らない大丈夫だ・・・。」

財が言うと納得はできないものの引き下がってくれた。

 

 

それから一週間、町を守り続け、首都での革命も成功・・・・。ガイア軍もシンへの攻撃

も止まった。聖はしばらく首都の警備をするために部隊を連れて去っていった。財とルイ

スは遺跡探検に行っちまって、フィリス達は旅に出て行った。俺はというと・・・・・

「杖さ〜ん、サンドイッチ一人前注文入りました〜」

「おう、任せとけ〜!」

酒場のキッチンで働いていた。意外と楽しかった。

「エニス〜サンドイッチ上がったぜ〜運んでくれ!」

とりあえずエニスと一緒に酒場経営・・・・・なんか板についたこの職業に

なんだかなぁ〜っと思っていると

『んだとこのヤロー』

「ヤンのかこのボケが!!」

ふふふ、やっぱ俺はこういうのケンカってのが好きだ

俺は心躍りながらキッチンから飛び出しケンカを始めた男たちを一発でノックダウンさせ

「やっぱ暴れるの大好きだぁ〜〜!」

と叫んでしまった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

はっきりくっきりこの騎馬 杖は杖のキャラ原案者某天然戦士をイメージして書いたキャラです。単純で熱く、そして天然なキャラ。そして正義を愛するヒーローのようだが、喧嘩好き。(某天然戦士が本当に喧嘩に強いかは知りませんが・・・・)しかしこの世界は銃、魔法、ロボットなどが入り乱れた世界で素手で旅をし、生き延びてきた。その実力と堅気なところは作者的には尊敬を覚える場所ではあります

【お買い物なら楽天市場!】 【話題の商品がなんでも揃う!】 【無料掲示板&ブログ】 【レンタルサーバー】
【AT-LINK 専用サーバ・サービス】 【ディックの30日間無利息キャッシング】 【1日5分の英会話】