第5回 … 精霊ルビスの謎の経緯

ロトシリーズをやり慣れているなら、ルビスについて知らない人はほぼゼロといっていいでしょう。
彼女はアレフガルドの創造主として、勇者達の行く先々で噂を耳にすることになります。
ロトであるDQ3の勇者の時代では、ルビスはゾーマによって塔に封印されていたのでさしたる活躍はありませんでしたが、
DQ2ではルビスのまもりを勇者達に託し、ハーゴンの呪縛を解いています。
この辺り、神官など及びもつかないかなり強大な力を持っていたと推測できます。
第5回となる今回は、この精霊ルビスについて深く掘り下げてみようと思います。


彼女の出生、及びアレフガルドに来る以前の生活に関する詳細は
「精霊ルビス伝説」(久美沙織著・上中下巻)に記されています。
彼女を語るには必須の作品ですので、知らない方は一度は読んでみる事をお勧めします。

彼女の本名はルビス・アピスト・カリクティス。
かつてアレフガルド以前に存在していた精霊達の世界、イデーンに住む炎の精霊でした。
もともとイデーン五大家のひとつ、火を司るカリクティス家の当主候補の人物で、
実力もそれなりのものを持っていたようです。

そんなルビスに、ある青年との出逢いが訪れます。
名をディアルト・バコバ・コリドラスと言い、大地を司るコリドラス家の先代の後継ぎと人間の娘との間に生まれた
言わば異端児とも呼べる存在でした。
彼はまた巨大な鳥、ラーミアを操る特殊な力を持っており、ルビスは次第に彼に惹かれるようになります。

ところが、その後ある理由からディアルトが失踪し、ルビスが悲しみの果てに家を継いだ直後にイデーンに危機が訪れます。
魔峰オーブの噴火により、世界は崩壊しようとしていました。
紆余曲折はあるものの再び出会ったルビスとディアルトは崩壊の最中に婚礼を挙げます。
そこで明かされたディアルトの本名は、「ロト」…彼こそ、勇者の祖である人物でした。
しかし、ディアルトの前に彼の従兄弟でコリドラス家の当主であった地の精霊ダトニオイデスが立ち塞がります。
彼はディアルトの胸にはめられていたブラック・オーブ ※1を破壊してしまい、その血を浴びて
あってはいけない存在…「魔王」へと変貌を遂げてしまいました。
彼を追って火口へ飛びこむルビスとディアルト。そして火口の先は地上へと通じていました。

…これが、「勇者」と「魔王」の最初の戦いであったようです。
「勇者」とはディアルトの子孫であり、またディアルト自身でもあるのでしょうね。


さて、彼女の素性についてはこれくらいでいいでしょう。
問題はこれからです。カンのいい方ならすでにおわかりでしょう。
本来ロトシリーズにしか関わりの無いルビスが、何故かDQ6に出演しているのです。
うまく行くと、「ロト&天空シリーズを繋ぐ重要な手がかりになるかも知れない」と
当時のDQユーザーが狂喜していたという噂があるとか無いとか…
さて。果たして彼女は、本当にロトシリーズのルビスと同一人物なのでしょうか?

DQ6で、ムドーの島近くの海底のほこらにいるルビスですが、
「このほこらの上にある島には、かつて強大な魔王が棲んでいた事」
「その島に渡る為に、ある笛を作った事。それがめぐりめぐって主人公達の元へ行きついたこと」を教えてくれます。
さらに小説DQ6によると、序盤の降霊祭でターニアに憑依した「山の精霊様」はルビスであるらしい、という事もわかります。

まずその「笛」とは、オープニングでミレーユが吹いていたオカリナに間違い無いでしょう。
(吹くとドラゴンがやってくる笛で、小説DQ6ではそのドラゴンがバーバラである事も判明しています)

しかしここで疑問が生じます。
ルビスの言う「強大な魔王」とは何者か?という点です。
もしロト時代の事を言っているのなら、当てはまるのは竜王とゾーマでしょう。
シドーでは有り得ません。何故ならロンダルキアは「島」ではなく「大陸」ですから。
竜王の子孫 ※2だったという考え方もできますが、彼の力は「強大」とは言い難いように思えます。
さて。では、彼らの島に渡るのに必要な物は何だったか…?
考えるまでもありません。「虹の雫」です。「笛」などではありませんでした。
ロト伝説におけるルビスの作った笛といえば「妖精の笛」が思い浮かびますが、
これはフルート系の横笛です。オカリナではありません。
これによって分かる事と言えば…
「強大な魔王」は竜王やゾーマ、ましてやシドーなどでは有り得ない。
つまり、ルビスの言葉はロト時代の事を指してなどいないのです。

もうこれだけで既に怪しいですが、ターニアに降臨した「山の精霊様」がルビスである事も疑問が残ります。
先ほどの「精霊ルビス伝説」を見てもわかる通り、ルビスはもともと炎の精霊です。
何を好き好んでちっぽけな山の精霊様のフリをしているのか全然納得いきません。

以上の点から、DQ6のルビスはロト伝説のルビスとは別人である
という結論を打ち立てておきます。
結局、ロトシリーズと天空シリーズはやはり別々のストーリーだと解釈するしかありません。


では、「強大な魔王」とはいったい誰なのか?
これに関してはまったく謎です。
DQ4の時代以前ですが、地獄の帝王エスタークと人間との戦いがあった事が
「モンスター伝説」や「知られざる伝説」に記録されています。
もしかするとこれがさらにDQ6の時代以前の事で、「強大な魔王」がエスタークだったとしたら…?
一応のつじつまは合いますが、こじつけに過ぎません。
もしかすると、関連書籍でこれについて語られているのかも知れませんが
あいにく管理人はDQ6に関する書籍はあまり持っていないのです。


皆様からの追加情報をお待ちしております。


※1 オーブはもともと7つあり、この大地のコリドラス家の象徴・ブラックオーブだけが異質な存在でした。
    黒金剛石(ヘマタイト)で出来ており、破壊した者の肉体を食らう性質があります。
    「ロトの紋章」における闇のオーブと似ているのが興味深いですね。

※2
 DQ2で竜王の城地下7階にいる人物。世界征服を狙っているらしいが、先祖ほどの覇気はないようです。


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