想空の夢音



夢は嫌いだ・・・・・
無くしたものが現れるたびに・・・・・
音が聞こえるたびに・・・・
どれだけ心と身体の傷を痛めつけたら気が済むのだろうか


夜の闇と・・・暗き眠り・・・・・
こんなもの無ければいいのに・・・・
眠りは忘却・・・・それは只の戯れ言だ・・・・


事実・・・私たちは忘れられないから温もりを求める
そして、生み出されるのは
寂しさ 悲しみ 裏切り 空しさ・・・・・・・・・・・・・・・・
暗き夜の闇は忘却どころか罪を増やしていく


だから・・・・
だから・・・・・・
夜なんていらない


薄く開いた視界に入るのは窓から差す柔らかな日差し。
耳に入るのは、夜明けを告げる朝鳴き鳥の声。
「・・・・・・・・・・・朝・・・・・か」
 ゆっくりと覚醒していく意識が悪夢の終わりを告げる、少し気だるい身体を起こし溜息をついた。
「・・・・・・・・夢がいいか・・・現実がいいか・・・・と言う感じですかねぇ、サフィルス」
「相変わらずですねジェイド・・・確かに貴方が居ない分、幾分か夢の方がましですけど」
 側から聞こえる声に、サフィルスはその方向を見ず冷たく答える。
「勝手に言ってろ、所詮夢は夢だ。俺はつまらん夢を気にするよりも、もうすぐ始まる仕事のほうが
気になるからな」
 そう吐き捨てるように一言言うと、ジェイドは部屋を出て行こうとドアノブに手を伸ばす。
「お前、いい加減早く着替えないとまた、あの気にくわないお偉い様方の嫌味を永遠と聞かされる
んだが」
 言われてみると日の高さからして、仕事の時間が近い事に気がつく。ジェイドも既に身支度を整え
いつでも仕事へと向かえるようにしている。
「なっ・・・なんで起こしてくれないんですかジェイドっっ!。あわわ、着替え着替え・・」
 サフィルスが慌てる様を見てジェイドは溜息をつくと、
「あまりにも、気持ち良さそうに寝ていたから起こさなかったんですよ。ほれ、昨日の服はちゃんと
皺を取っておきましたよ。いくら何でも痣をつけて裸でうろつき回られると、人によっては変な勘ぐりを
入れてきますしね」
「・・・・っ!その元凶は貴方でしょうがっっ!準備できているならとっとと出て行ってください」
 側にある枕を掴み上げると、サフィルスはそれをジェイドに向かい投げつける。
「おやおや、私は別に強引に貴方を抱いたわけでもないし。お前だって相当喜んでいただろう
・・・・・・ねぇサフィ」
 枕を受け止め、いけしゃあしゃあと嫌味な笑いを浮かべるジェイドにサフィルスの怒りが炸裂する。
「出て行けと言ってるでしょう。出て行かないんなら・・・今度は魔法を使いますよ」
 人が怒る場合その状況は様々だが、その一つに図星を指されると言うのがある・・・・・
 ジェイドと同じように笑いながら誤魔化せばどうでもないのだが、まるで対極にあるよに真面目な
サフィルスはそれがどうしても出来ない。
 また、身体をあわせ・・・言うなれば男女の深い仲の様に彼と寝ているのは紛れもない真実・・・・・・
「はいはい、お望みどうり出て行きますよ」
 カチャリ、とドアを開けて出て行く・・・・・と足を止め、
「サフィ。夢だろうが、現実だろうが・・・・・・そなもん俺達には関係ない、ただ俺達は己の為の目的に
此処に居るだけだ・・・それを忘れるな」
一言言うと、パタリとドアを閉め足音が遠ざかっていく。

「・・・・・・・・ジェイド・・・・・」

そんなのは解っている・・・・・
夢も現実も今の自分達にはどうでもいいこと・・・・

自分達にあるのは、ただ一つの目的・・・・・
その為に、この世界を騙すならまず己を騙す為に心に仮面を付け振舞う・・・・・
だがその仮面が何時しか離れなくなり、それは次第に自分へと変わっていく・・・・・・・・

もう一度あの蒼の空間を・・・・・
もう一度あの風音を・・・・・・
無くした物・・・もう二度と手に入らないもの・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ねえ、ジェイド・・・・・・・・私たちが探しているのは、

   自分の夢想の空と・・・・
      幻想の音・・・・・・・・・・・

なのかもしれませんね」

 ポツリと一人呟く言葉は静かに部屋の中へ広がっていく・・・・・・・


救い・・・なんて信じないけど・・・
もしこの闇と光の世界から誰かが助けてくれるというのなら・・・・
自分は迷わずその手を掴むだろう

「ふふふ、そんなこと・・・金赤の月が空に浮かび・・・青く輝く陽がこの世界を照らす・・・・・
ぐらいに無理な話ですがね」

 悩むのは止めたはずだ、そう今居るのは自分達の為だけに望みを果たせる場所なんだから・・・・

「奈落王・・・・・・・・・・・・・・・貴方の力大いに利用させていただきますよ」

 すっかり着替えを終えると、サフィルスは部屋の姿見で再度服を直し部屋を出て行く・・・





それは、赤と蒼の二つの星が蒼空と大地に生まれる前のこと・・・・・・

    二つの星が、この世界全てを巻き込むことになるとは夢にも思わない頃のお話・・・・・・・・



     そして、自分達の未来先さえ変えることになるのを彼らはまだ知らない・・・・・・・・・

あとがき
はいv100HITを見事踏んだ、本條水晶様のリクで『ジェイド×サフィルス』
っても、殆どサフィルスの独り言だが(己は・・・・)
設定的にはファンディスクとゲーム自体の間という感じで書いて見ました。
ジェイサフィは、書いてて感じたんだが。私的にはギャグの方がやりやすいかもな・・・・・・
どうやっても、この二人の設定が設定だけに暗くなるんですわ。
これがジェイプラやアレサフィとかだと、趣味の甘甘状態出来るんだが。
しかし、これがなきゃ書かないカップリングだったのは確実です(笑)
リクありがとうございましたvv



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