2004年6月25日


しばらくニッキを更新しなかったのは、
願掛けの意味があったからです。
ちゃんとした結果が出るまで、自分の中に留めておく。
誰かに漏らしてしまったら壊れてしまいそうで、怖かったからです。

もちろん忙しかったせいもあるのですが。

月曜日、約束通り団長と飲みに。
丁度台風が来た晩で、ドタキャンか?と思いきや、ちゃんと彼が迎えに来たので居酒屋へ。
成人式の写真を見せてもらって、同級生たちの噂話を一通りして。
お互い翌日仕事だったから、早くスタートして早めに切り上げよう、なんて言ってたのに、
気付いたら居酒屋2軒ハシゴして6時間も飲んでた。
飲みすぎ。
ちゃんと自覚持ってください、あずみさん。
社会人なんですから。

いい加減お互いのアルコール飽和量を超えかけたので、外を歩く。
後になって友達に聞いたところ、そのときの風はかなり強く、“怖くて寝付けなかった”ほどのものだったらしい。
だけど酔っ払ってるわたしたちにはそれがとてつもなく気持ちよかった。
『酔っ払ってるし、舞い上がってるだけかもしれないけど』
と、時既に午前3時。
『俺、あずみのこと好きかも』
と、団長。
『うん、舞い上がってるね』
わたしがこう答えるのが精一杯だったのは、わたしも同じ気持ちだったからだ。
きっと今この瞬間、一緒にいて、楽しくて、嬉しくて、
お酒も入ってて、気分良くて、増して台風の夜なんていう非日常な状況で、
“好きだ”って錯覚してるだけ。
離れたらきっと、薄れてしまう。
『でもそれが“かも”じゃなくて本当だったら、すごく嬉しい』

結局その日は明け方の5時近くに家に帰って、
ほんの1時間ばかり寝て、アルコールも残ったまま会社に行った。
そんな日に限ってお客様を車に乗せなければならなくて、しんどかった。

元同級生にこんな気持ちを抱いてしまうなんて、信じられなかった。
同級生時代には感じなかったこんな気持ち。
中学を卒業して5年経って、5年ぶりに会って、増して会ったのも2回目。
自分で自分の気持ちが信じられなかった。
中学の頃は、わたしは団長の友達と付き合ってた。
団長は団長で、ギャルの卵みたいな子と付き合ってた。
その子に卒業間際に書いてもらったサイン帳には、団長とのノロケが赤裸々に綴ってあったことを、
彼は知る由もないだろう。
5年前のわたしに男を見る目がなかったのか。
(否、最近の方が男を見る目には自信がない)
5年も経てば好みも変わるってことか。
とにかく不思議な感じがした。

だけどその半面で、同級生とは言え15歳以来一度も会ったことのないひとで、
15までの人生と15からハタチまでの人生って、後者の方が濃密な気がして、
知り合いだけどハジメマシテ、みたいな妙な他人感があって、新鮮。
もちろん5年前までの古い情報は持っているのだけど、新しい関係を築いていってるような気がして、新鮮。

けんじのことは抜きに考えて、
わたしの中で団長の存在が大きくなっていっているのは事実だった。
“血管が逆流する”ほどの情熱的な気持ちじゃない。
だけど、あぁそうか。
情熱的にひとを好きになった後ならば、こんな風に“好きかも”で始まる恋も悪くないかも知れない。

台風の翌日、啓介と電話で話す機会に恵まれた。
啓介は(わたしにはっきりと言ったことはなかったけれど)団長が嫌いなようだった。
『啓介さ、団長のこと正直嫌いでしょ』
『は? なんだよいきなり。まぁ・・・どっちかっつーと嫌いだね』
『やっぱり』
『ウラオモテありそーじゃん』
『あー、わかるかも』
当時啓介と団長の間には、というより、当時の同級生たちはいろんな確執をお互いに抱えていた。
狭い田舎の学校だ。
いいことの分だけ悪いことも濃い。
『で? なんなの?』
『うん、実は、彼と付き合えちゃうかもしれない』
と言った途端啓介は笑った。
『まぁ俺は予想してたけどね。成人式のときお似合いだと思ったし』
なんて後で言ってたけど、啓介はむしろわたしと島田くんあたりが付き合うと思ってたんじゃなかろうか。

冒頭に、“ちゃんとした結果が出るまで”って書いたけど、
そんなこんなで“ちゃんとした結果”なんて出ていない。
今の状態じゃ、ちゃんとした結果が出るのかすらわからない。

でもね、あのね、
わたし、無理して彼を好きになろうとはしてなかったんだ。
むしろ、恋愛関係になんてなりたくなかった。
同級生は同級生のまま、共有できる思い出が一つまみあればいいと思ってた。
そういう気持ちに抗って、どんどん彼に向いていくのが分かって。
それが今は少し怖い。



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