2003年12月5日


けんじくんに別れ話をされて、いつの間にか時間は流れた。

決戦の日。

わたしは、言いたいことをちゃんとまとめて、
恥ずかしい話、何度も何度も鏡の前で泣かずに言う練習をした。

―わたしの言いたいこと―
どんなに忙しくなったってやってみなきゃわからないじゃない。
やってみてお互いダメだって思ったときに、別れればいい。
会えなくても、連絡が来なくても、けんじくんはわたしの支えだから、
わたしは彼女として繋がっていたい。
でも、けんじくんが悩んで出した結論を、悩んで決めた気持ちを、
理解しようと思う。
汲んであげようと思う。
だから、ハッキリ言って欲しい。
会えなくなるから別れるんじゃなくって、会いたくなくなったから別れるんだって。
わたしなんて必要ないって。
わたしなんて要らないって。
そうハッキリ言ってくれさえすれば、わたしは納得できる。
けんじくんが頑張る気持ちを放棄するなら、わたしがどんなに頑張ったって無駄だから。

学校が終わって、部屋に帰る。
鏡の前で再び、何度も何度も練習。
化粧をしていたら、電話がかかってくる。
『用事終わったからこれから行くよ』
急いで、準備。
会えた。
なんだか実感が湧かなかった。
会話も笑いも、いつも通り。
そのくせやっぱり、もうおわったこと、のような言い方をされる。
『今さら何を話すことがあるわけ?』 くらいのことを言われて、やや凹み・・・。
ゴハンを食べに行くって約束していたから、
わたしはゴハンを食べながら話をするつもりだった。
なのに。
車の中で言われてしまったんだ。
『俺、もう女なんて要らないんだ』
『今はもう、恋愛する気ない』
先手を打たれた気分。
それでも、何とか形勢を立て直そうと試みる。
戦場は、前にも二人で行った居酒屋。
話し始める。
湿っぽくなると思ってたら、予想外。
わたしが真剣に話をしているのに、茶化す茶化す。
他の世間話を挟み込まれるわ、
店員の女の子に声かけようとするわ、
チュウしてこようとするわ。
だんだんキレてくる。
で、最後には爆発。
『わたしのことなんてもう必要ないんでしょ?』
と、わたし。
『だからずっと言ってんじゃねーか。もう女は要らないって』
と、けんじくん。
『他の女がどうこう言ってんじゃねぇんだよ。わたしが要らないのかって聞いてんだ』
えぇ、暴言吐きまくりました。
『ハッキリ言えばいいじゃない。わたしのことなんて要らないって』
『言ってよ。わたしのために別れるんだったら、それが優しさだって思うんだったら、最後まで貫き通してよ』
もはや恐喝まがいに。懇願した。
半ば無理矢理、
『わたしなんてもう要らないんでしょ?』
『うん』
・・・と、言わせることで何とか納得する。
『送って行くよ』
と言ってくれたけど、わたしは初めからそこでお別れしてタクシーで帰るつもりだったから。
『いいよ、一人で帰れる』
『送ってくっつってんだろーが』
頑固な二人はお互い譲らない。
『いいっつってんだろ、もう関係ないんだからいいじゃない』
『ぜってぇ送ってくからな』
『うるせぇよ、ぜってぇタクシー呼んで帰るから』
えぇ、もうわたしの怒りは収まりません。
会計の時も(その日はわたしのおごりっていう約束だった)
『なんだ貧乏人が』呼ばわり。
店員さんにも口の悪い女だと思われてるんだろうな(照)
まぁもう行かないからいいんですけど。
お店を出ても気は収まらず、
『一発殴らせろ』くらいの勢いで。
彼もそれを察知して、避ける避ける。
結局半分笑いながら、ケンカ別れ的。
タクシーに乗り込んで、『行って下さい』と。
それでもタクシーに乗り込んだら悲しくなってきて。
りさとママにメール。
ママがすぐに電話をくれて、話しながら泣いてしまった。

あぁ、もう終わりなんだ。
終わったんだ。

駅でタクシーを降りようとすると、会話が聞こえていたからか運賃をまけてもらう(爆)
ママと電話を切った後、りさと電話。
彼女は仕事が終わって、近くのファミレスに仕事仲間といたんだけど、
『来る?』って言ってくれたので甘えることに。
りさの迎えを待つ間に、しょーもない男にナンパされる。
で、そのナンパ男につい愚痴ってしまうわたしの情けなさったら・・・。
その男の前でも泣いてしまったり。
とにかくそれを振り切って、りさの元へ。
りさの仕事仲間は初対面なのにボロボロなわたしに優しかった。
話を聞いてくれた。
感謝してる。
りさにわがまま言ってカラオケに付き合ってもらうことに。
『今日は悲しい歌限定だからね(笑)』
で二人、歌って泣いて、歌詞に共感して泣いて、演歌はシャウト。
その後デニーズで語らって、もう一度今日の話をする。
『え、そんなキレて帰ってきたの?
最後に会えてよかったよ、くらいのメールした方がいいんじゃない?』
と言われ、あぁ、そうかも。と思い、メール。
3時半だったので返事は朝だろうと思いつつ。
りさがウチに泊まるって言うので、明け方帰宅。
そうしたら。
部屋のドアの前に、紙袋。
けんじくんの車の中に置いてきた忘れ物。
別に大事なものが入ってる訳じゃなかったから、別れるときも(キレてたので)
『いらねぇよ、あんなもんくれてやるよ。捨てちまえ』って言ったのに。
りさと固まる。
『手紙とか入ってるんじゃないの?』
そうりさは言ったけど、そんなことはないってわたしは思った。
部屋のドアを開けて、玄関の電気を点ける。
『ちょっと』と、りさ。
紙袋を見ると、
『ごめん。元気でな。強くなれ』
と書かれていた。
それを見たら、カラオケや優しいみんなの励ましでどこかへ行ったはずの涙が戻ってきた。
二人で泣いた。
もう終わったんだ。
もう他人なんだ。

六時をまわり、けんじくんから電話が来た。
二人『もう別れたんだから』と言いつつも、普通に笑いながら話をする。
楽しくて仕方ない。
りさと話していて、この状況は何なんでしょう、と思う。
別れてないみたいだよね。
これからのわたしの姿勢を、決めた。
わたしからは連絡しない。
で、彼から連絡が来ても、もう吹っ切ってます、みたいな感じで対応する。
そうしたら少しは、わたしみたいないい女と別れたこと後悔してくれるかもしれない。
戻ってくるかもしれない。
未練がましいかもしれないけど、今はやっぱり好きだから。

りさが帰った後、お昼にまた電話で話した。
辛いことに、友達扱いらしい。
友達なんかじゃ嫌だけど、もう吹っ切った(顔をしている)わたしは平然と話し続ける。
『あ、来週の火曜どうする?』
『来週の火曜ってなんかあったっけ?』
『俺ヒマだからさ。遊ぼうかと思って』
『・・・ふーん』
『友達として、な』
会っていいのかと思いつつ、やっぱり会うことになりそう。

これからも友達として、彼は連絡をくれるんだろう。
わたしは友達なんかじゃ嫌で、ちゃんと女として見て欲しいけど、
今はこの繋がりを大切にした方がいいのかもしれない。
そのうち、わたしのことをまた女として見てくれるかもしれない。
そう信じて頑張ることは、何もなくなって連絡が来なくなるよりも楽だから。
もしかしたらそのまま、友達のままかもしれない。
でも、
微かな希望を持って待つ方が楽。
わたしからは連絡なんてしてやらないんだ。
わたしの不在を淋しがらせてやるんだ。
最後の強がり。


長くなったけど、読んでくれてありがとう。
結果的に別れることになったけど、きっとわたしは大丈夫です。



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